冥麿 × chocoffin 二人展 冥柩TAROT

MEIKYU TAROT: MeiMaro × Chocoffin

会期2024年4月5日(金) - 4月14日(日)
休業日火曜 水曜
時間12:00 - 19:00
主催・会場Gallery 幻 >>Map
通販4月11日(木) 20:00 - 会期末 >>Online Shop
SNS用タグ#冥柩TAROT
 

異才画家二人が描くタロット絵画展

特異な個性をもつ二人のアーティスト・冥麿と chocoffin の合同作品展を開催します。象徴的図像であるタロットの大アルカナをモチーフとし、各11枚・計22枚を描き下ろした絵画を展示販売。今回の作品群をもとにしたオリジナルタロットカードやコラボグッズも販売します。ぜひ皆様のご来廊をお待ちしております。

 

Statement

タロットという迷宮

タロットの起源には謎が多く、発祥はわかっていない。古くは14世紀末フランスの記録に現れ、やがてヨーロッパ庶民に普及、ゲームやギャンブルに用いられた。タロットが広く占いに用いられるようになるのは18世紀頃。同時期に占い師や神秘思想家によるタロットの「神秘化」が進められた。彼らは神学、隠秘学、錬金術、数秘術、心理学などを動員し、時には独自の改変を加えながら、図像に含まれるモチーフやアトリビュート(持物)を独創的に"解釈"した。

こうして、他に類を見ない象徴の迷宮となったタロットは占い道具としての特異な地位を築く。図像と象徴の関係、つまり物質と精神の相関はアーティストの創造性も刺激した。ここに新たに、嫉妬や憎しみ、痛みやカタルシスをテーマに制作する二名の作家がその解釈へ挑む。

冥麿 の墨彩画には血、骨、臓物など肉体の内を曝け出した女性の姿が描かれる。だが、その作品が決して残酷や猟奇に留まらない静寂や美を備えているのは、肉体の内側だけではなく、人間の精神の内側にある情念や痛みを描いているからだ。繊細な筆使いや余白と構図が巧みに生かされた作品には東洋的な美の感性が宿っている。

chocoffin の絵には身体欠損、緊縛など物質的肉体への執着であるフェティッシュが描かれている。だが、その肉体は時に現実的描写を離れ、ダークゴシックな幻想世界として表現される。これは恐らく chocoffin が料理人であることに関係する。料理とは生命そのものを扱う最も即物的行為でありながら、最古の文化的創造の営為であるからだ。

異なる作風や文化背景を持ちながら、奇しくも肉体性と精神性に導かれて独自の絵を生み出してきた二人。出会いは2014年、両者が参加した作品展で互いを知った。翌2015年には初の二人展「無幻死想」開催し、オールナイトのライブペイントも盛況。同年にはネイキッドロフトで開催された御茶漬海苔氏のイベントにゲスト参加した。以降、各々活動しつつもイベント合同出展などを経て、今回久しぶりの二人展開催の運びとなる。

ある解釈では、タロットの22枚のカードは「愚者」の旅を示している。愚者は番号なし(または0番)の特別なカード。何者でもないゆえにあらゆる可能性を秘め、愚者であると同時に天才、破天荒ゆえに独創的。その二面性。今年2024年6月には出会って10周年となる二人のアーティスト。その創造的迷宮への旅へあなたもぜひ迷い込んでいただきたい。

文・小林義和(Gallery 幻 代表)

 

Online Shop

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販売期間: 4.14(日) 19:00 まで

 

Artist

 

冥麿 / Meimaro

画家

女性の生と結びついた嫉妬や怨念などを捉え、墨彩画を描く。人間の精神的内面にある情念や痛みと、肉体的内面である血や臓物。醜く恐ろしいものと見做されがちなそれら二つを描きつつも、猟奇的でありながら静寂と美を備えた唯一無二の画面を生み出している。Heavy Metalを愛し、アルバムのアートワークやバンドマーチデザインに携わるなど、音楽カルチャーからも注目を集める。

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chocoffin / Chocoffin

絵描き 料理人

身体欠損、緊縛などBDSM的な肉体・精神表現を絵のモチーフとしながらも、その世界観には魔女や吸血鬼などダークゴシック要素が混ざり合い、独自の幻想的な作風を生み出している。また、自家菜園「魔女の庭」でハーブや野菜を育て魔女レシピを考案するなど、自身の創作世界を料理でも表現。映画のフードコーディネーターやアート系料理イベントを開催するなど料理人としても活躍する。

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